こんにちは。フランス在住アロマトローグ・自然療法士のTomomiです。
最近はフィトテラピー(植物療法)が人気ですね。
アロマテラピー(芳香療法)が日本に入ってきて早30年ほど。
かなり世間に浸透しましたが、フィトテラピーはこれまで、アロマテラピーのようには世間に広まってなかったように思います。
でも今、モデルさんや芸能人がフィトテラピーを学んでいたりして、おしゃれな習い事として大注目です!
あなたは、フィトテラピーとアロマテラピーの違い、わかりますか?
ハーブ(植物)を使うのがフィトテラピー
アロマ(精油)を使うのがアロマテラピーですね。
前者はハーブといっても、ドライハーブやフレッシュハーブをお湯に浸してハーブティにしたり、アルコールにつけてチンキにしたりします。
基本的にはそれらのレメディは「飲む」んですね。
一方精油は、もともとはハーブ(芳香植物)由来ですが、多少専門的な方法で「抽出」することで、植物がもっている精油成分を取り出したものです。
1本の植物が持っている精油成分は微々たるものなので、私たちが手にする精油瓶に入った1滴というのは、非常に凝縮されています。(=何本分もの植物の精油成分が集まっている)
で、基本的にはこの精油は「飲みません」。
お肌につける、香りを嗅ぐ、がメインですね。
この辺まではあなたもよく知っているでしょう。
フィトテラピー発祥のヨーロッパのフランスで、日本の方があまり知らない「前提」とは?
なんだと思いますか?
アロマテラピーはフィトテラピーの一部である。
この認識、ありましたか?
私はありませんでした。
最初に「アロマテラピーを学びたい♡」と学校探しをしたとき、この認識がなかったので「アロマ 学校 パリ」などと探していたんです。
だからぜんぜんヒットしませんでした。
学校と言える規模でやっているのがたったの2校(当時)。
ドミニク・ボドゥーさんが教えるベルギーの学校のパリ出張授業と、IPALという南仏の学校でした。
(ボドゥーさんの学校は授業が終了したばかりで来年度を待たなくてはならず、消去法でIPALにしたんですね。でもそれが正解でした!)
アロマを勉強してしばらくは気づいていませんでした。
日本と同様、フィトテラピーとアロマテラピーは別ものって思ってたんですね。
でもだんだんフランスのアロマテラピーの業界関係図がわかってくると、「アロマの学校じゃないところでアロマが学べるらしい」ということに気がつきました。
で、医師で自然療法の学校を創設されたウィレム氏の講演後に彼とお話をした時にわかったんです。
どうやら、自然療法の中にフィトテラピーがあり、フィトテラピーの中にアロマテラピーがあるらしい、と。
その後、彼の学校FLMNEに通い、フランス・アロマテラピーの大家であるピエール・フランコム氏に学ぶことになるのです。
ここで、ディレクターが助言をしてくれて、私は「フィト・アロマ」コースに入ります。
もうアロマは勉強したのだし、フィトを勉強しないと、アロマをやった意味がないよ、って言われました。ナルホド。
普通は、自然療法(ナチュロパシー)のカリキュラムに、フィトやアロマが含まれているんですね。
自然療法士は、いろいろなレメディをクライアントに提示したほうがよく、その中にハーブや精油の選択肢があるわけなんです。
ちなみに、その学校ではフィトテラピーは結構丁寧でしたが、アロマテラピーはほんの触りだけ。
なぜなら、アロマテラピーの用途がフィトテラピーに比べて狭いからだと私は思っています(異論は認めます)。
実際、自然療法しか処方しない医師に聞いたところ、精油での処方はほとんどない、とのこと。
やっぱり、応用範囲が狭いからだとおっしゃっていました。
ともあれ、FLMNEという学校で初めてハーブについて学びました。
でも、理論が中心だったので、また別の学校でフィトテラピーを学んでいます。
ここでは、チンキやハーブティ、その他のハーブの使い方を教えてもらいましたし、何より森の中でのハーブの見つけ方が面白かった!
フィトテラピーを中心にしているけれど、ハーブの応用A to Zみたいな授業でした。
そこでわかったのが、フィトテラピーは奥が深い!ということ。
フランスのフィトテラピーで使うハーブは、精油よりも数が多いですし、それぞれチンキやティザンヌ、錠剤などの種類があります。
基本的には飲用するので、薬学や医療の知識も必須。
いいレメディを買うのに、やっぱりどこのラボがいいとか、EU法規の問題とか、薬局方の問題などありますしね。
アロマよりももっともっとメディカルなんです。
イメージとしては漢方でしょうか。
アロマテラピーもフィトテラピーも「趣味」として香りを嗅いだり、ハーブティを飲んだりする楽しい使い方ももちろんできるのですが、フランスでは自然療法の1つのジャンルとして、クライアントの不調を改善するためのメディカルな立ち位置なんですよね。
自然療法>植物療法(フィトテラピー)>芳香療法(アロマテラピー)という順で学ぶのがフランス流です。
だからアロマ専門の学校ってほとんどないんですね。
フィトテラピーだけの学校も(探していないけど)少ないと思います。
私がフィトテラピーを学んだ学校も、メインのクラスは自然療法のクラスでした。
自然療法のクラスは授業数がもっともっと多く、栄養学なども必須で、私たちのフィトアロマのクラスは自然療法のクラスと合同のものがほとんど。
フランスが正しいというつもりは毛頭ないのですが、自然療法(ナチュロパシー)は西欧が由来です。
ここでは、人が不調を改善するときのツールとしてハーブがあり、そしてときどき精油がある、という認識なのです。
フィトテラピーとアロマテラピー、ジェモテラピーなどを別々に考えるのではなく、自然療法の1ジャンルと考えると、どちらの知識もあったほうが「健康」という理想形に近づくための補完になるかなーと思います。
というわけでおさらい。
フィトテラピーとは
- 植物を使った療法
- レメディとしては、ハーブティ(アンフュージョン、デコクション)、チンキ(タンチューメールとも言います。フランス語Tinture mère)、錠剤、シロップなど
- 考え方によっては、レメディにジェモチンキや精油も芳香蒸留水も含めることがある
- 基本的に「飲む」ことで治癒を目指す
- 使用する植物は数も多く(300以上?)、抽出部位によって、浸出させる溶剤によっても成分が変わる(もちろん植物の鮮度は大事)
アロマテラピーとは
- 植物の精油成分を抽出した芳香療法
- レメディとしては精油
- 考え方によっては、芳香蒸留水も含めることがある
- 基本的に「塗る」「嗅ぐ」ことで治癒を目指す
- 使用する植物は120種類くらいが一般的。抽出部位はほぼ決まっているので、成分もだいたい同じ(もちろん抽出の条件で成分は変わります)
そしてフランスでは
自然療法>植物療法(フィトテラピー)>芳香療法(アロマテラピー)
という立ち位置。
どうでしょうか。少しはクリアになりましたでしょうか?
ということで、フランスで学んだフィトテラピーに関しても、おいおいお話ししていきますね♡