こんにちは。フランス在住アロマトローグ・自然療法士のTomomiです。
アロマでしごとシリーズ第5弾は、ワンコインレッスンから抜け出す方法についてお話しします!
どんなジャンルでもいいのですが、ワンコインレッスンに参加したことがありますか?
参加しなくても、チラシを見かけたことがありますか?
ワンコインとは500円。
500円といわずとも「うわ、安ーい!」と思う金額でのサービスのことを、今日はそう呼びますね。
もしあなたがワンコインレッスンをやった場合、それが吉と出るか、凶と出るかはその目的次第です。
だから、ワンコインレッスンをやってはいけないわけではありません。
でも、注意点がたくさんあるので、ぜひ最後まで読んでください!
成長するためのワンコインレッスンの知恵がつきますよ。
ワンコインレッスンをやる前に
なぜ、そのレッスンやワークショップ、サービスをワンコインに設定したのか、教えてください。
私が想像するその理由は
①初めてのレッスン(ワークショップ、サービス)だから
②安くすればいっぱい人が来てくれるから
③たくさんの人に知ってもらいたいから
この中にあるんじゃないかなーと思いますが、どうでしょうか?
②と③は似ているようでいて、実は全然違います。
そして③の人はいいのですが、①と②は要注意!
なぜか。ひとつひとつ説明していきますね。
①初めてのレッスン(ワークショップ、サービス)だから
うんうん。わかります。
アロマのお勉強を終えて、「教える側」の初仕事ですよね。
最初だから喜んでもらえなかったらどうしよう、人が来なかったらどうしよう。
たくさんの不安をかかえてのスタートですよね。
スタートできただけ、本当に素晴らしいです。
まずは頑張った自分を褒めてくださいね。
多くの人がその一歩もなかなか踏み出せないでいるのですから。
その初仕事、お客さまはお友達かもしれません。
知り合いかもしれません。
あなたが「初仕事」であることも知っているし、応援してくれるだけでも嬉しいから、ワンコインにしちゃいますよね!
タダでもいいくらいです!なんて思っているかもしれません。
でも、あなたの次のレッスンはどうでしょうか?
またワンコインでやろうと思っていますか?
それとも、2回目は、正規料金にしようとかたく心に決めていますか?
初めの一歩、二歩から正規価格でレッスンができる人は、この先は読まなくていいです。
肝が据わってらっしゃるので、きっとうまくいくと思います!心配ない。大丈夫。
でも、「え?次?考えてなかった。どうしよう…」と思ったあなた。
最初の一歩の次までは、視野に入れて始めるといいですよ。
自信ができたら値上げ、経験を積んだら値上げって思っているかもしれませんが、これも注意!
自信も経験も目に見えないので判断しづらいのです。
「いつ」を明確に、何月何日とか、最初のレッスンの何ヶ月後、何回レッスンを開催したら、とか決めるといいですよ。
そうじゃないとワンコイン地獄に陥るんです。
いつまでたっても値上げができない。
ずっとワンコインから抜け出せなくなってしまいます。
②安くすればいっぱい人が来てくれるから
これは、①の人がワンコイン地獄に陥ったときに起こります。
勇気を出して値上げをしたときに「え?ワンコインじゃないの?」という心ない言葉に傷つきます。
ワンコインじゃないと来てくれないんだ…
ワンコインだったら来てくれるのかな
いやー、わかります。
たまにいらっしゃいますよ、「ちょっとお高くて…」とおっしゃる方。
過去に私も何度も経験済みです。
でもね、反対に「え、こんな値段でやってくださるんですか?」「安くないですか?」という方もいらっしゃるんです。
先生は誰だってよくて、ただ「安いから」いらっしゃった。
私、アロマのレッスンを始めて数年経った頃「ちょっとお高くて…」とおっしゃる方に、このようにご説明しました。
(この方は「安くしろ」という意味ではなくて、「続けたいけど難しいです」という理由を丁寧に説明してくださった方なので、ちょっと趣旨とは違うのですが)
確かにお値段は高いかもしれません。
フランス語がおできになるなら、他にもたくさんのアロマのレッスンがありますし、中にはもっと安いものもあると思いますので、ぜひ探してみてください。
私は、フランス語で一生懸命学んだアロマテラピーをすべて日本語に翻訳して、テキストもプリントも授業の流れも全部自分で考えて作った講座です。
フランスでこのような講座をやられている日本人の方は他にいらっしゃいません。
私の中では精一杯の金額なので、これ以上の値下げは残念ながらできません。
申し訳ありません。
これくらい説明しても「ケチ!」と言う方は、あなたにつくべきお客さまではないですから、気にしなくていいですよ。
あなただって、お客さまを選ぶ権利はありますからね!
「ワンコインなら参加します」という方と、「あなたの講座が受けたい」という方。
どちらとこれからお付き合いしていきたいかを考えたら、おのずと答えが出るのではないでしょうか。
そんな方に支えられて、私もここまで来られているのです。
大丈夫。ワンコインじゃなくても、絶対にお客さまはいらっしゃいますよ!
③たくさんの人に知ってもらいたいから
ワンコインレッスンがダメなのかというとそうではありません。
2022年に5日間(毎日1時間)に及ぶライブセミナーを、アロマ仲間と二人でやったのです!
アロマの初仕事でもないし、値上げができなかったわけでもない。
ライブセミナーだけじゃなくて、10通のメールマガジン、5日間のワークなどもついて500円!
なぜこれをやったかというと、もっと多くの方にアロマの本質を知っていただきたかったから。
私たちのことをコレっぽっちも知らなくても、最悪なセミナーだったとしても、ワンコインだったら諦めがつきますよね。
この内容で「高すぎる!」「価値がない!」と文句を言う方はいないだろう、と。
で、まったくつながりのない方が「ワンコインだったら受けてみようかな」と思ってくださったらいいなーと。
中身に関してはとっても自信がありましたので、とにかく私たちを知っていただきたい!という思いでした。
これは、いわゆる「戦略」かもしれません。
戦略といえば、たとえばメーカーが試供品を配るとか、エステ初回1000円とか、巷にはこのタイプのワンコインサービスがたくさんあります。
潤沢な資金がそもそもあるので、ここで出血大サービスしても、他で回収できるから痛くも痒くもない。
さらに、安かろう悪かろうではなくて、正規価格のすばらしい商品を持っているからこそ、そちらにうまく誘導できるわけです。
でも、まだ収入の柱が1本もしっかりしていない駆け出しのあなたがやると、大変なことになります。
①②のワンコイン地獄に陥るんですね。
正規価格のレッスンなどがない場合は、それ以上の価値をご提供できないので、「ワンコインの人」というイメージがついてしまうんです。
期間限定の何かのキャンペーンで一時的にワンコインならいいですが、無目的にワンコインをやらないでくださいね。
ワンコイン地獄から抜け出すには?
どうしたら抜け出せるか、お伝えしましょう。
①自信をつける
②自分の時給を決める
③経費、利益を計算する
書くのは簡単、実践するのは大変です。
ひとつずつ見ていきましょう。
①自信をつける
ズバリ、自信がないからワンコインの価格にしてしまうのです。
誰かに「ワンコインにしないとダメ」と誰かに言われることは多分あまりありません。
(フェスやコラボなどで全員均一料金と設定されていなければ)
ご自分で「このサービスはこの値段」と決めたのですよね?
その心理は
初めてだし、自信もないし、お客さまがひとりも来なかったら恥ずかしいし、うまくできなかったら信用を失いそうだし…。
私なら
何回もやって、自信をつける。
お客さまが一人でも来てくださったら万々歳。
「うまくできない」なんてことがないように、何度もシミュレーションしてうまくできるようにする。
ワンコインで言い訳をしてはいけません。
ワンコインだから失敗してもいいや、ではありませんよ。
私も、レッスン代が1000円くらい、収益はすべてオーガナイザーにお渡しするチャリティーイベントに参加したことが何度かあります。
でも、いつものレッスンと同じ内容にしていますよ。
安いから力を抜いていい、というのは、プロではないと思います。
②自分の時給を決める
初めての場合は何もかもがわからないので「ワンコインでいっか」と適当に値付けしてしまいがちです。
1回で回収することはムリですが、初めてだから安売りするのは違いませんか?
まず、あなたの時給を決めてください。
ワンコインでワークショップを1時間する場合、時給500円x人数だと思いがちですが、準備時間も換算するんです。
しかも、人数が1人でも20人でも、時間内にやることは同じ。
だから、人数で掛け算をしない方がいいですよ!(1人だったら売り上げが500円になってしまいます!)
市場の相場をリサーチしてみましょう。
今はもうもっと高いと思いますが、私がマッサージを学んだときには(セラピスト志望だったんですよ!)10分10ユーロが相場と言われました。
1時間のマッサージなら60ユーロ、2時間なら120ユーロ。
アロマのワークショップやレッスンをする人は、他の方の受講料をリサーチしてみてくださいね。
そして肝心なのは、時給は定期的に上げていくこと。
毎回ではなくて、1年ごと、2年ごと、のようにご自身が「経験値が上がった」と自信を持っていえるタイミングで。
10年経っても1時間60ユーロのベテランセラピストはいませんよね。
③経費、利益を計算する
まあ、いきなり「あなたの時給は?」と聞かれても難しいですよね。
そうしたら、経費を計算してください。
私ね、不思議なんですよ。
アロマだけじゃないけれど、材料費だけで500円はいってしまうんじゃないか?というレッスン、たまにありますよね。
アロマの場合は容器代、配布資料のコピー代、レンタルしている部屋代などがかかりますよね。
さらに、忘れてはいけないのが、精油の値段。
私はそこまで細かく出していないのですが、精油1滴だってタダではないので考慮にいれるべきなのです。
それから、あなたの交通費とか、宣伝に使った費用(チラシならチラシの印刷代、ネットなら通信費)だって、実は立派な経費です。
そしてもちろん「あなたの時給」も忘れないでくださいね!
これをきちんと出してみると、「とりあえず、ワンコインでいいか」とはならないと思います。
アロマテラピーはお金がかかる「趣味」です
私は趣味だとは思っていませんが、世の中のアロマのイメージは趣味・習い事です。
足を踏み入れてはじめて、10mlの精油瓶が3000円も4000円もすることを知ります。(ローズなんか5mlで2万円以上しますよね)
学んだスクールの費用、揃えた精油のセット、ブラッシュアップのために参加したセミナー代金。
結構お金かかっていますよね。
でも、これは知る人ぞ知る。
もしあなたが1万円のランチを毎日平気で食べられる方だとしても、「お金をもらうことに興味がないからワンコインでご提供します!」というのはやめていただきたいのです。
「え?ワンコインじゃないの?」ということばを聞くたびに、自信を喪失して、不安になってしまうのです。
しっかり、まじめに学んだアロマ業界にいる人たちが、きちんとアロマで生活ができるようになったらいいなっていつも思っています。
そのためには
・大手メーカーと価格競争をしない(無視無視無視!)
・売り上げが必要ない人も、ワンコインで提供しない(お願いします!)
・初めての人は、経費と時給から適正価格を割り出す
・経験とともに価格は上げていく(インフレもするのですから、値下げはナシ)
・アロマならこれくらいの値段がフツーです、と言える環境をつくる
これを私をふくめ、ひとりひとりが向き合えば、きっとアロマでしごとがリアルに楽しめる人が増えてくると思います!
もし、「私のアロマとハーブのしごとのこと、誰かに相談したい!」とお思いでしたら、私も個別相談を受け付けています。
詳細は下のボタンをクリックしてご覧くださいね♡
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