こんにちは。フランス在住アロマトローグ・自然療法士のTomomiです。
香りって、私たちの感性を豊かにする素晴らしいものです。
でも、ついつい「いい香り」って言ってしまいませんか?
私たちが話している美しい日本語は香りの表現もとてもバラエティにとんでいるんです。
ちなみに今回の写真は「香道」のお道具。
16世紀に生まれた日本の香りの文化も美しい日本語があってこそ現代まで続いているのだと思います。
感情をコントロールするために香りの奥深さを味わうのでしたら、なんでもかんでも「いい香り」と言うだけでは効果も半減してしまいます。
今日は、例として「ラベンダーの香り」を美しい日本語で表現して、女性らしい感性を磨く方法をご紹介します。
ソムリエのワインの表現にならってみましょう
透明で美しいルビーの色合いに包まれた優雅なワイン
ストロベリーやラズベリーの官能的な香りが心地よく漂う
軽快でシルキー、花々の舞い散るようなアロマ
フレッシュでフルーティなキャラクター、口当たりがエレガント
サクランボやクランベリーのような瑞々しいフルーツの風味
微細なタンニンと樽のニュアンスが絶妙なバランス
ブラックティーのような複雑な風味が広がる
地域の土壌を感じさせるミネラルな要素が漂う
口の中で広がる長いフィニッシュが印象的
ピノノワールの繊細さと力強さが見事に融合
ワインに関しては素人なので、細かいところは見逃してください。
でも、ソムリエってこんなことを言いそうだと思いませんか?
ソムリエが表現しているのは、基本的には「ブドウから作られた液体」
同じ植物の生産物に対して、こんなにもたくさんの表現方法があるのはびっくりしますよね。
ブドウなのに「ストロベリー」「ラズベリー」「花」「サクランボ」「クランベリー」「ブラックティー」「ミネラル」など、ブドウとは関係ないもので表現しています。
ソムリエが「いい香りのワインです、どうぞ」と言っても、ぜんぜん楽しめませんよね。
「めっちゃスゴイ、超ヤバイので飲んでください」と言われたら、幻滅しませんか(笑)?
それと同じで「いい香り」という表現では、その香りがどんなものなのか、まったく相手に伝わらないのです。
だって、相手にとってそれが「いい」香りであるとは限らないのですから!
ラベンダー精油をソムリエにならって表現してみよう!
香りの専門家は独特の香りボキャブラリーを持っています。
彼らの間ではわりと共通の言語だったりするのですが、一般人が聞くと「え?そうなの?」というような表現。
ソムリエの表現と同じです。
でも、ジャスミンもローズもラベンダーもベルガモットもサイプレスもサンタルウッドもフランキンセンスも「いい香り」で片付けてしまったら、何にも伝わりません。
なので、香りを嗅ぐときは、「その場にいない人にも香りが分かるように言葉で表現する」つもりで言語化してみましょう。
紫色の柔らかな風が優雅に包みこむ香り
太陽のような温かな微笑みを運ぶ華やかな香り
フランス式庭園を彩る小花の愛らしく控えめな香り
プロヴァンスの畑の野性味あふれる若々しい香り
悠久のときが紡ぐ馥郁たる甘美な香り
静かな森から漏れるフレッシュでシャープな香り
澄んだ川にいるような、クールでみずみずしいグリーンの香り
朝露に潤った大地から立ち昇る、ほのかなロマンチックな香り
宵闇に包まれた畑から漂う幻想的で成熟した香り
南仏のそよ風が運ぶ花々の清々しく心地よい香り
パリの都会的な空気感をまとったスパイシーで高級感のある香り
などなど。ラベンダーの香りのさまざまな側面を日本語にしてみたのですが、いかがでしょうか?
何となく「どういうラベンダーの香りなのか」情景が浮かんできませんか?
香りは感情と深いつながりがありましたよね
言葉を使って香りを表現することで、感情が豊かになります。
感情豊かになると、感性も磨かれます。
例えば、フリージアの香りを「優雅な春の訪れ」と表現すると、単なる花の香り以上にこころに響きませんか?
言葉をとおして香りをとらえると、その香りが引き起こす印象や思い出が鮮明になるんです。
香りの言語化は、感性を磨く手段として、私たちの感情と記憶を豊かにし、新たな視点で世界を感じる力を与えてくれる、というわけなのです。
エレガントな女性、感情豊かな女性、魅力的な女性になるために、香りのボキャブラリーを増やすことからしてみてくださいね!
きっと周りの人の、その美しい日本語を操るあなたを見る目が変わりますよ♪