こんにちは。フランス在住アロマトローグ・自然療法士のTomomiです。
私が運営しているElnafオンラインスクールによくくる質問のひとつが「ディプロマはとれますか?」というもの。
結論から申し上げますと「一応、修了証は出しています」(↑写真)
「一応」なんて、なんだか自信のなさそうな回答で、それだけでこんなスクールでは習いたくないと思ってしまいますよね。
「一応」と敢えて言っているのは、私自身が「ディプロマ、あったからってどうなるの?」と思っているからなんです。
今日は「資格・ディプロマ」が必要かどうかについて、私の考えをお伝えします。
あくまで私の一意見ですので、ご了承ください。
「思うに私は、価値のあるものは全て独学で学んだと思う」
『進化論』で有名なダーウィンのことば
アロマでもハーブでも、その他の分野でもなんでもいいのですが、「学ぶ」には3つのアプローチがあると思っています。
① 学校に行って学ぶ(お金を払って学ぶ)
② 独学で学ぶ
③ 仕事をしながら学ぶ(お金をもらいながら学ぶ)
多くの人が①学校に行って学んでいると思います。
かく言うわたしもそうでした。
今日のテーマである「資格・ディプロマ」は基本的には①の学校が発行するものですね。
私はさらに②と③も行なっています(現在進行形)。
②と③は普通ディプロマは発行されません。
なぜ学ぶのか?
どうしてあなたは「学ぶ」の?
その答えは【学んだもの(アロマならアロマ)をプラスにしてご自身の人生を豊かにしたいから】ですよね?
家族の健康に役立てたい、アロマを仕事にしたい、などですね。
その目的さえ達成できれば、アプローチは①でも②でも③でもなんだっていいと思います。
学ぶ方法はいろいろあり、学んだものが活かせればいい、という大きな視点にたてば
本当に「資格・ディプロマ」が必要なの?
「資格・ディプロマ」は、なければあなた(がしていること)に価値がないことになるの?
という疑問を投げかけることができます。
Tomomiが「資格・ディプロマ」を重要視しない3つの理由
私がアロマや自然療法などの資格やディプロマをを重要視していない理由を3つお話ししましょう。
❶民間資格だから
❷資格をもらったところがスタート地点だから
❸資格があってもなくても、ゴールにたどりつくことができるから です。
❶日本においてアロマや自然療法などの資格は民間資格です
ここ、重要!
医師、薬剤師、看護師、美容師、調理師、建築士、税理士などは国家資格がなければ仕事をしてはいけない職業です。
なので、この仕事をしたいなら、必ず当該国家資格を取得しなければなりません。
でも、アロマや自然療法などは国家資格がありません。
国や自治体が発行している資格以外は、すべて民間資格と言えます。
持ってても持ってなくても仕事はできるんですよね。
ちなみに、フランスでは1941年に植物療法士(Herboriste)の国家資格が廃止されました!
この資格を取得していた方が2000年くらいにお亡くなりになったので、フランスには今、ひとりもHerboristeの国家資格保持者はいないんですよ。
つまり、Herboristeはフランスにおいては「自称」となり、仕事をするのも自由です。
さらに言うと、フランスでも医学系大学で植物療法のコースを設置している学校があります。
ここで単位をとり試験に合格すると「学士」「修士」の国家資格はもらえます。
厳密にいうと「フランス植物療法士国家資格取得」というのは、そういう大学を出たのね、ということです。
植物療法士の国家試験はありません。(アロマももちろんありません)
詳しくないですが、お隣のドイツでは1939年にハイルプラクティカーという自然療法士の国家資格ができました。
こちらではこの資格を取得しないと自然療法士としての仕事はできないのではないでしょうか?
この国家資格がなくても自然療法士としてのお仕事はしてもいいのかな?
(ドイツに詳しい方、間違っていたらご指摘ください)
そして、例えば日本で医師、薬剤師、看護師の国家資格を持っていても、フランスでは働くことはできません。
必ず、フランスかEUの医師、薬剤師、看護師の国家資格を取り直す必要があります。
私の知り合いの(日本の)薬剤師さん、看護師さんも、ここで苦労されています。
国によって法規が違うのですから、その国が発行する国家資格をとらなければならないのは当然ですね!
「国際**資格」というのがありますが、それはそもそも民間資格ということですね!
「国際的に」有効かどうかですが、少なくともフランスではあってもなくても変わらないと思います。
もうひとつ、民間資格は、基本的に発行するのは自由です。
たとえば、お料理大好き♡でもどこかで学んだことも、仕事にしたこともない私が「おにぎり教室」をフランス人向けにやったとします。
その1 dayイベントに参加し、三角のおにぎりが上手にできた参加者に対して「おにぎりマスター」の資格を与えても、特に問題はないんですよね。
(その資格名が「調理師」みたいに国家資格とかぶるようなものはダメですよ)
その意味で、Elnafオンラインスクールではきちんと学び、テストを受けて「たくさんお勉強されました!」という受講者の方には、修了証を発行しています。
それは、この講座を終えましたよ!という「頑張ったしるし」以外のなにものでもない。
これがあるから就職に有利なわけでもないですし、「持ってるんだ、すごいでしょう」とも言えないのです。
(特にElnafは誰もが知っている有名校じゃないですしね。私の力不足です。すみません)
それでも「終わった証拠が欲しい!」というご要望にはお応えして、ずっと前から、終了テストを提出し、きちんと理解した方に修了証をお出ししています。
(合格点に満たない方には再試も何度かしていますヨ)
ちなみに、「ディプロマ」と日本の方はいいますよね。
フランス語ではDiplôme(ディプロム)といいます。
これは、フランスでは大学などの公的(=国の)教育機関での修了証の意味合いが強いため、私はディプロムという言い方はしていません。
Certificat(セルティフィカ)という名前で発行しています。
❷資格・ディプロマをもらってからが勝負!
次に、資格・ディプロマをもらって満足してしまっては意味がない、というお話。
私はフランスでアロマやフィトに関する2つの学校に行きました。
民間の学校でしたが、医学系の大学の植物療法のコースよりも授業時間が長く、すごく本格的で、自然療法士として活動するには十分なカリキュラムでした。
試験にも合格し、Certificatをもらいました。
なぜか?
膨大な知識をひたすら詰め込んだだけの状態で終わっているからです。
あちこちにあふれる洋服を、お客さんが来るからと無理やりタンスやにギュウギュウに詰め込んだ状態。
どこに何があるのか全然わかっていないし、どの組み合わせがいいのか考える余裕もない状態です。
例えば、そんなふうにクローゼットにすべて押し込んだ状態で「お片付けマスターです!お部屋、綺麗でしょ?」と言う人に、お片付けを学びたいでしょうか?
アロマを最初の学校で学んだ後、私は2年間、詰め込んだお洋服の整理をしていたのです。
具体的には
✔️ 精油の化学 : どの精油にどの成分がどれくらい入っているかをソラで言えるくらいに頭に入れる
✔️ 植物学と実践 : その精油がどんな香りでどこで生育して、どんなふうに使うといいのかを把握
✔️ 客観性 : さまざまな著者の本を読み、セミナーに参加し分析・総合
✔️ コンサルテーション : クライアントさんにに必要な精油やハーブを使いやすい形でご提案できるように復習
学校ではたくさんのことを教えてくれますが、資格をもらって終わりにしてしまうと、きっとあやふやな記憶に自信がもてないまま過ごすことになります。
私の場合、学校は基礎知識やその業界の情報、人脈を得るのに最適な場所だと思っています。
卒業後は独学で、本やリアルセミナーからの知識、精油のメーカーさんや生産者さんとの交流、レシピの試作など、「ゴールにむけて必要なものを準備する」時間を大切にしました。
そのため、もしあなたに大きなゴールがあるのなら、資格・ディプロムで安心せず、その後の準備を大切にしていただきたいなと思います。
❸資格・ディプロムがあってもなくても、ゴールにたどりつくことができるから
日本は学歴社会。資格ビジネスも活発です。
だから、資格を持っていないとなんだか居心地が悪いのはすごーくわかります。
でもね、先ほどお話ししたように、本来「民間資格」はその仕事をする上で絶対に必要なものではないんですよ。
持っていなくてはいけないのは、一部の資格(国家資格)なだけで、他は「思い込み」です。
私は資格は「力試し」のツールだと思っています。自分に自信をつけるためのツール。
私は資格は「力試し」のツールだと思っています。自分に自信をつけるためのツール。
例えば、留学のときにはフランス語がどれくらいのレベルなのかを知りたくて仏検を取りました。
あ、今3級レベルなんだ。
渡仏までに2級とれれば、安心して向こうに行ける!
と思っていたのです。
そしてフランスの大学に入りたくて、DELF DALF(TOEFLみたいなもの)もとりました。
これさえ持っていれば、フランスの大学の「語学試験」は免除されるだろうから、書類審査に力を費やせる!
安心材料のための資格。
でもそれ以上ではなかった。
日常生活では勉強した単語なんてほぼ出てこないし、みんな話すのが早くて聞き取れないし、なにより自分の思いを伝えられなくて、疎外感でいっぱい。
辛かったです。
それよりも、実践が必要でした。
- フランス人の友達を作り、毎日会話をする。
- フランス人の考え方を知る。
- 買い物など日常的に必要なフランス語をすぐに理解し返せるようにする。など
こういう実践は、どこか学校で勉強することではなく、独学でなんとかするもの、あるいは仕事の中で覚えていくものですよね。
資格・ディプロムがまったく役に立たないということではないよ!
最初の足がかりにあったらいいですよね。
独学だけでは、自分がどの辺の位置にいるのかわかりづらいですから。
ただ、【資格をたくさん持っている=すごい】 ではないと思います。
そうではなく【ゴールに最短距離で進める自分に必要な資格】を持っていることが重要。量より質ですね。
だから、資格がもらえる学校に行くのなら
✔️ 何が学べる学校に行くのか
✔️ 誰から学ぶのか
✔️ 得られるモノが、これからの自分に必要なものか
を最初から意識した方がいいと思います!
もちろん、時間とお金が無尽蔵にある人は別ですけれど。
ミニマムな時間とお金で最大限の効果が得られるといいですよね!
特にアロマ、ハーブ系は。
何度も言いますが、資格がなくたって仕事をしていい業界です。
私のオンラインスクールも含めて、法人であれば社会にそのサービスを発展させていくのがミッションです。
だから学んだ先に「この資格があれば(仕事につながるから)安心♡」という宣伝で人を集めているところが多い。
それを見ると逆に「この資格がないと心配」と思ってしまいがち。
アロマやハーブの資格が得られる協会やスクールは山ほどあります。
「家で精油を焚いてリラックスしたい!」というゴールなら、本屋さんに行って2000円くらいの本を読めば十分です
でも、「自然療法士になりたい」というゴールなら、しっかりと医療知識に踏み込んだカリキュラムを組んでいるスクールを探した方がいいでしょう。
その前のコースを飛ばして上級コースだけを学ぶということができないスクールも多いので、最初から学びたいテーマを網羅している学校に入るのがいいと思います。
(Elnafはお好きなレベルから受講できます♡他のスクールで学んでからいらっしゃる人、多いですよ!)
資格がなくてもまったく怖気づいていない私の話
私はフランスの2つの学校で学んだだけです。
Certificatはもらいましたが、IPALもFLMNEもあなたはそれがどんな学校か知らないと思います。
難易度もカリキュラムも先生の名前も知りませんよね?
つまり日本の人にとっては知名度はまったくない。
さらにフランスには日本のような認定校とか協会というものがなく、この2つの学校にお金を払ったのは、授業料だけです。年会費などはありません。
学校側はその後、何のフォローもしません。
(なので、私のスクールのカリキュラム・教科書はすべて私がオリジナルで作っています)
私は誰の弟子でもなく、フランス人の数名の専門家から学んでいるので、誰かやどこかの「お墨付き」はないんです。
もちろん、日本でもアロマテラピーや自然療法の資格はひとつももっていません。
そんな私からすると、こう思うんですね。
本当に「資格・ディプロム」って必要なの?
こんなことを言うと必ず「それはTomomiさんだから」っておっしゃる方がいるのですが、TomomiがTomomiだけで仕事ができるのなら、あなたが「あなた」だけで仕事ができないわけがありません。
「お墨付き」がなくなって大丈夫!
誰でも仕事ができると思うんです。
とても悪い言い方なのを承知でいうと、「資格・ディプロム」は単なる紙切れです。
その紙切れであなたが自信を持ち、仕事への挑戦ができるなら、ぜひ取得しましょう!
でも、いろんな紙切れを持っていても、それを「紙」以上の価値に変えられないのなら、別の「資格・ディプロム」をとっても同じです。
要はあなたが何を得たかという中身で勝負すればいいんです!
もし「あそこのスクールで学びたいんだけど、ディプロマが出ないからやめようかな」と思ったのなら、本当にもったいないと思います。
自分の「直感」「希望」を無視しないで!
あなたには自信を持って「中身」で勝負ができる専門家になって欲しいなと思います。
「一応」修了証を発行しているアロマのスクールやっています。
大切なのは学んだ後だと思うから、動画は視聴期限なし!→質問も何年経っても受け付けます♡